ギャラリーGALLERY
2020年12月05日
小堀遠州ゆかりの七窯で茶陶の名品を生み出した膳所焼。その廃絶を惜しんで地元の岩崎健三が大正8年(1919)に開窯したのが膳所焼窯元「陽炎園」です。日本画家の山元春挙とは親密な交友があり、復興の協力を惜しみませんでした。春挙の絵付けした作品が色々と残されています。
この作品は鉢の外面に、稲穂と案山子そして案山子から逃げるように飛ぶ雀が一羽、春挙によって描かれています。
余白を飛ぶ雀が何ともユーモラスです。
底部には初代 健三時代にだけ使われた印があります。
桐箱蓋の甲に春挙の共箱があり、「豊の秋」と題されています。
状態は無傷・美品です。桐箱蓋の四方桟の一本がなくなっていますが保存には問題ありません。
サイズ 高さ8.9cm × 径19.2cm
大正~昭和初期
御売約済 有難うございました。
※画像は一点のみ残させていただきました。
膳所の窯元のすぐ近所に山元春挙の別邸「蘆花浅水荘」があります。名前のごとく、当時は琵琶湖の水を庭まで引き込み、船で琵琶湖に出られたとそうです。大津に来られることがございましたら是非、「蘆花浅水荘」と復興膳所窯元「陽炎園」を訪れてみてください。窯元には膳所焼の銘品を多数所蔵する膳所焼美術館が併設されております。
山元春挙 やまもとしゅんきょ 明治4年~昭和8年(1872-1933)円山四条派の日本画家。別号 円融斎、一徹居士。竹内栖鳳と共に近代京都画壇を代表する画家。帝室技芸員。