ギャラリーGALLERY
2021年02月22日
永楽保全作 河濱焼茶碗
十七代善五郎而全極め箱
幕末の名工 永楽保全の作となる、小ぶりな河濱焼(かひんやき)の茶碗です。
河濱焼は嘉永二年(1849)頃、膳所西総門付近に開窯したと伝わっています。保全の名工ぶりは名高く、紀州徳川家をはじめ各地の大名や門跡寺院に招かれお庭焼の指導にあたっています。大津では円満院門跡の命により嘉永四年から安政元年(1851-1854)まで製作した湖南焼が知られていますが、この河濱焼はそのプロローグのように近江は大津の地で生まれました。保全の作域の幅を見せつけるかの様に、湖南焼が染付・祥瑞写・金襴手といった鮮やかな磁器であるのに対し、河濱焼は土味を活かした温かみのある穏やかな作風が特徴となっています。
河濱焼の茶碗には、長生庵堀内家の不識斎が絵付け及び箱書きをしたものがみられますが、保全の共箱というものがほとんど有りません。腹に落ちない共箱の物をたまにみかけますので、注意が必要です。
高台脇に「河濱」の印が有ります。
サイズ ・・・cm×高さ・・・cm
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