用語集GLOSSARY
永楽妙全(永樂) えいらくみょうぜん
永楽妙全は永楽家十四代得全室。嘉永五年(1852)に山城国乙訓郡(現在の京都府長岡京市)で生まれました。本名は悠といい千家茶道の世界では今も『お悠さん』と親しみを込めてよばれています。
得全亡き後の永楽家を明治四十二年から昭和二年まで十九年も支えましたが、善五郎を襲名することなく歴代の中に入っていません。(十七代の而全氏も妙全のことを書くときには十四代得全室と前置きをされます。)得全の甥である治三郎(十五代正全)と力を合わせ家業に尽くし、明治四十三年には後援者である三井高保より『悠』の印を拝領、大正三年には三井八郎右衛門高棟より『妙全』の号と掛物を受けました。
作品としては、得全のもとで陶技を学んでいた治三郎の手によるところが多いと思われますが、お悠さんが昭和二年に七十六歳で亡くなり治三郎が十五代善五郎を襲名するまでの永楽家の作品は妙全作とされています。